海野しぶきブログ 親二人、無事に見送りました

アルツハイマーでゆっくり逝った義母といろんな病気で慌てて逝った義父の介護備忘録

2018年8月10日。義父が火事場の馬鹿力を見せた日

前回の記事では、2018年の8月10日(金)に義父が今後通うデイサービスの見学のしたことと、お昼と夜の宅配弁当に混乱している話を書きました。


その日は、それ以外にも本当にいろいろあったんです。


義父は、白内障の手術のために8月12日(日)に入院し、翌8月13日(月)にまず左目の手術をすることになっています。

その手術の準備として、手術の3日前、つまりその日8月10日から左目に目薬を1日3回しなければなりません。
病院からはチェック用紙も用意されています。


大事な書類関係はいつも座るダイニングテーブルの真ん中に置いてありますので、病院の書類や、これまでまめに付けていた体調管理のノートもそこにありました。

なので、わざわざ聞かなくてもそこを見れば私も義父が記録したものはチェックできます。


8月6日(月)に来た時は、血圧も測れないと告白していましたが、体調を記録しているノートを見てみると、確かに8月に入ってからは記入されていません。
記録魔なので、これまで体重から血圧、服薬記録まですごくまめに記入していたのに。

テーブルには目薬のチェック用紙もありました。

すると、その日10日からスタートの目薬を9日からやっていました。


何気なく

「おとうさん、目薬今日からだけど、できているかなぁ?」

と聞いてみると、日にちの感覚がよくわからなくなっているようです。

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よく見ると、その日は10日なのに、11日の2回目までチェックされています。

せっかちなので、気が急いて1日早まったようですね。

チェック印もブルブルになっていますから、おそらくマジックを持つのもうまくできないのでしょう。
ということは、目薬もうまくいってないんだろうなぁ、と予想。

「まぁ、忘れるよりは多くやった方がいいから、このまま手術まで続けようね。」

ということにしましたが、わかっているのかどうか、という感じ。

どうも飲み薬も混乱しているようです。
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なんとなくそわそわして落ち着かないおとうさん。

このところ、私とは前のように良いチームワークで動けなくなってしまったので、おとうさんが私を信用してくれるかどうか賭けではありましたが、意を決してこれまで聞いたことがない質問をしてみました。


「おとうさん、何か心配ごとがあるんじゃないですか?
とても不安そうに見えるので。
もし良ければ、何が不安か教えてください。」


立ち上がってウロウロとしていたおとうさんが、はっきりと私の目を見て、

「不安。
そう、不安なの。すごく。」

と、今気づいたように言ったのです。


「何が不安なのか、言ってみてください。
できることはないか、一緒に考えます。」

と言うと、私の前に来て、

「将来のことが不安なんだよね。」

とおとうさん。


この歳で将来か〜、なんと答えていいものやら、と思っていると、

「将来、今後使えるお金があるのかどうか心配で。」

と言い始めました。


実は、その前日の早朝(8月9日、おかあさんの命日のことでした)、2人の息子宛てのラインで、お金の心配をしているような内容が届いていたのですが、おとうさんと話していてその理由がわかりました。

足が弱って、床に置いてある金庫に、膝をついて出し入れするのが困難になって、ここのところ中身のチェックができていなかったんですって。


85歳のおとうさんはアナログな旧式ですから、通帳に記帳して確認していたのです。
それができないので、よくわからなくなってしまったよう。

銀行口座については、前年にした大動脈弁狭窄症の手術前に、夫がネットで確認できるようにしていたので、この日も夫が残高を確認し、おとうさんにはラインで伝えていたのですが、金庫の中の手元にあるお金も取り出せなくなっていたために、余計不安だったみたい。


本来は、私は嫁の立場なのでいくら近所に住んでいるからといっても、おとうさんのお金に関しては全くノータッチでした。
トラブルの元になったら困るので、夫や長男にお任せしていたのです。

なので、その場でもおとうさんにはまずその話をしました。
その上で、

「今おとうさんが困っていて、私がやってもいいならば、手伝います。」

と言うと、おとうさんは、今私にやってほしい、と言いました。

顔付きが、前のジェントルマンなおとうさんになりました。


それで、床に置いてある金庫の中身を全部出しました。

現金は20万円ありましたので、それが入院する際の保証金に使えます。
その現金をはだかのまま、財布にも入れずに直接ショルダーバッグに入れたおとうさんを見て、私が不安になりましたけどね…。笑


この時、古い書類や、解約したり繰越済みの通帳も、全部処分しました。

おとうさん、なんでもかんでも取ってありましたが、私が一つひとつ書類を開いて、おとうさんが何かをチェック。
その書類の中から、私が知らなかったおとうさんの兄弟の話も聞くことができました。

こうして、全部の書類の説明もしてくれました。
細かい字の書類も、ちゃんと読めてます。
いるかいらないかの判断も素早いです。


正直言って、これだけ見えているなら手術の必要ないんじゃないかと思ったくらい…。


でも、今になって振り返ってみると、あれはおとうさんの火事場の馬鹿力だったんだなぁ、とわかります。

あの時のシャッキリしたおとうさん、凄かったです。

残念ながら、私しか会えてないんですけどね😔


この2日後、おとうさんは白内障手術のために入院しましたけど、結局それっきり、その家には戻って来られませんでした。

つまり、あの8月10日が、おとうさんが自分で片付けられる、最後の日だったというわけです。

 

今思い出してみても、すごいタイミングだなぁと不思議になります。


では今回はここまでとして、続きは次回2020年に入ってからお届けします!

お読みいただきありがとうございました😊

みなさん良いお年をお迎えくださいね🐭